少し意外な都道府県別の喫煙率!たばこ対策に力を入れている自治体を紹介

公開日: 2021.05.31
更新日: 2021.10.12
少し意外な都道府県別の喫煙率!たばこ対策に力を入れている自治体を紹介
目次

実は、都道府県によって喫煙率に違いがあるのはご存じですか?また、男女によっても都道府県で違いが出ているんです。
どの都道府県もたばこ対策には力を入れていますが、その中でもたばこ対策に力を入れている都道府県の事例を紹介していきます。今自分が住んでいる都道府県が喫煙率何位なのか、どんなたばこ対策を行っているのか、この記事を読んだ後に調べてみると面白いかもしれないですね。

日本全体の喫煙率は?男女で比較してみましょう。


現在、どのくらいの人がたばこを吸っているかご存じですか?たばこを吸っている人を示す指標に喫煙率があります。喫煙率とは、満20歳以上の成人のうち、現在習慣的に喫煙していると回答した人の割合です。

厚生労働省が行っている国民生活基礎調査によると、2019年のデータでは、全国の成人喫煙率は、16.7%、そのうち男性は27.1%、女性は7.6%だそうです(国立がん研究センター がん情報サービスより)。しかし、喫煙率をみて、「意外と少ないな」と感じた方も多いのではないでしょうか。
年々、日本の喫煙率はグラフでみると減少傾向にあります。ですが、まだまだ国の目標達成には至っていません。加えて、この喫煙率を都道府県別に見ていくと、また少し事情が変わってきます。

都道府県別の成人喫煙率は?

喫煙率のデータは、全国だけでなく、都道府県別にも開示されています。喫煙率と聞くと東京都をはじめとした大都市圏で多そうなイメージはありませんか?実際、大都市の街を歩いていると、たばこを吸っている人をよく見かけます。しかし、実際のデータは違います。
2019年の喫煙率が高い上位5県は、
1位:北海道
2位:青森県
3位:福島県
4位:宮城県
5位:佐賀県
となっているのです。少し意外な結果ではないでしょうか?喫煙率の高い都道府県は東北地方などの寒い地域が大半を占めているのです。特に北海道は、国民生活基礎調査で行われた過去の調査でも、高い喫煙率をキープしています。
逆に、東京都はどこかというと、上から41番目に位置しています。

都道府県別の男女別喫煙率は?

都道府県別の男女別喫煙率は
また、国民基礎調査では、男女別のデータも公開されています。
男性の喫煙率が高い上位5県は、
1位:佐賀県
2位:岩手県
3位:青森県
4位:秋田県
5位:福島県

一方女性は、
1位:北海道
2位:青森県
3位:福島県
4位:大阪府
5位:千葉県
となっています。

男性と女性で変動がありますが、女性の喫煙率が一番高いのが北海道です。また、男女とも上位5県に食い込んでいるのが福島県と青森県。両県とも東北地方です。「なぜ寒い地域の都道府県の喫煙率が高いのか?」その理由は定かではありません。

しかし、どの都道府県も、喫煙率のグラフを見ても減少傾向にあるのは確かです。厚生労働省も、成人の喫煙率を2022年までに12%まで引き下げるという目標を掲げています。また、政府だけでなく、都道府県でもたばこ対策や受動喫煙を減らそうという動きは活発です。それぞれの都道府県や市町村などの自治体が独自に対策を行い、実際に喫煙率が減少したという事例もあります。

好事例として取り上げられた自治体のたばこ対策は?

好事例として取り上げられた自治体のたばこ対策は?
現在、様々な自治体でたばこ対策が行われています。その方法は自治体によって異なりますが、効果的な事例として取り上げられたことのある自治体を紹介します。

〇大阪府摂津市の対策

大阪府の喫煙率は他県と比べると高い喫煙率で、特に女性の喫煙率が高いと紹介しました。その大阪府の中でも摂津市は、たばこ対策の好事例として取り上げられています。
摂津市は、保健センターで、摂津市の国民健康保険に加入している40~74歳の人に向けて生活習慣病の予防を目的とする特定健診を行っています。それ以外にも、希望する若年層に対して健康診断を行っています。この健康診断を受ける人には、あらかじめ「喫煙に関するベースライン調査」というものを配布し、禁煙を支援するための情報収集を行っているのです。診断後の診察では、喫煙者は医師から禁煙をすすめられます。

保健師も禁煙への関心別に具体的な対策支援を行い、関心のある人には効率的な禁煙方法や、禁煙外来の案内を行っています。関心がない人に対しても、同じような案内をしたうえで、診断会場に喫煙による肺がんのリスクを呼び掛けるポスターなどを掲示して呼びかけを行っています。
また、無理のない禁煙からスタートしようということで、摂津市のホームページでは「3日間の禁煙」を取り上げています。

加えて、摂津市のホームページでは、体内のニコチンが3日間で体内からほとんど抜けてしまう流れがわかりやすく説明されています。
たばこを吸わなくなって20分後には血圧が正常になる→2日後には嗅覚味覚が改善する→3日後にはニコチンがほとんど体内から排出され呼吸が楽になる
というように、具体的な時間経過でわかりやすく説明されていますよ。

〇神奈川県の対策

神奈川県は全国の喫煙率から見ても、下位のほうに位置していますが、かなり厳しい対策を行っています。神奈川県には「公共的施設における受動喫煙防止条例」という条例があり、この中に受動喫煙を防止するためのルールが定められています。

内容としては、不特定、または多数の人が出入りできる空間を有する施設として、指定された施設を禁煙にするというものです。施設の種類を県第1種施設と、県第2種施設に区分しています。例えば、県第1種施設には、幼稚園から大学、各種学校、病院、官公庁施設、劇場、映画館、動物園、遊園地、図書館なども含まれています。各種学校や病院、官公庁施設に関しては完全禁煙となっており、喫煙スペースを置くことができません。

しかし、劇場や図書館などは喫煙専用室を設けることができます。また、県第2種施設には、飲食店や宿泊施設、ゲームセンターなどの娯楽施設、などが含まれます。ここは、客席面積や喫煙をすることが主目的な店(シガーバーや店内で喫煙可能なたばこ販売店)かどうかによって、喫煙専用室や喫煙可能室を設けることが可能です。神奈川県のように施設によって禁煙にするかどうかを決めている自治体も多いかもしれません。

では、神奈川県は何が違うのかというと、罰則があります。各業界から抵抗はあったものの、条例に違反した場合、過料を求めるようにしています。例えば、県第1種の施設に指定たばこ専用喫煙室を設置した場合や、屋内全てを禁煙にしているのにも関わらず、禁煙標識を掲げていなかった場合などが罰則の対象となります。過料額は変動しますが、5万円以下とされています。

このように、様々な自治体が市民の健康を考え、禁煙を推進しています。
たばこは、健康に悪影響を及ぼす可能性があり、健康を考えるなら禁煙をすることをおすすめします。自治体によっては、禁煙をサポートしてくれたり、禁煙外来を紹介している自治体も多数ありますよ。禁煙をしたい、と考えているかたは、ぜひご自身の自治体のたばこ対策を調べてみてくださいね。

さがすもーく編集部
タバコに関する情報をお届けする「さがすもーく編集部」です。加熱式タバコ・電子タバコの紹介や、禁煙・健康リスクに関するコラムを更新しています。